総合職に占める女性の割合は3%
「一般職」は9割が女性、男女差別の温床に
厚生労働省がコース別で調査
| 厚生労働省はこのほど、コース別人事管理制度にかかわる二つの調査結果を相次いで発表しました。 86年の均等法施行と前後して、企業はコース別制度を導入しました。基幹的業務の「総合職」と定型的業務の「一般職」に社員をふり分け、処遇に差をつける制度ですが、前者には男性が、後者には女性が多いことから男女差別の温床との指摘もあります。厚労省は06年の男女雇用機会均等法の見直しに向けて論議を開始しました。現状のコース別制度に見られるような間接差別の禁止を盛り込むかどうかが焦点となっています。 82%が転勤を要件に女性を阻む企業 コース別雇用管理制度を導入している企業で総合職に占める女性の割合は3%にすぎません。大きなネックとなっているのが、女性の総合職採用に消極的な企業の姿勢。厚労省がこのほどまとめた「コース別雇用管理制度の実施状況と指導状況について」でこうした状況が判明しまた。 コース別制度を導入している236社から03年4月〜04年3月に聞き取ったものです。それによると、募集・採用時にコースを決めている企業は92・8%。82・2%は転勤の有無をコース区分の要件としている。04年度から総合職を新設することにしている企業の八割も転勤要件を課しています。 ところが、「男女とも転勤実績あり」の企業は全体の38・7%にすぎず、「男性のみ転勤実績あり」を含んでいるのが75・6%。転換前の教育訓練など「配慮を行っている」 のは35・1%でした。 調査時点で総合職のうち女性はわずか3%で、02〜04年に採用された総合職のうち女性は各1割前後にすぎません。これに対し、一般職に占める女性の割合は各9割となっています。 調査は「依然としてコース間で女性の採用割合に大きな偏りがみられる」と指摘しています。女性を採用時から一般職のポストに押し込めようとする企業の姿勢が大きな障害となっているようです。 女性登用に消極的高い役職に就けず 厚労省のもう一つの調査、2003年度 「女性雇用管理基本調査」によると、大企業を中心にコース別制度の見直しが顕著になっていますが、女性を積極的に総合職に配置する動きは弱いことがわかりました。約5000の民間企業を対象に昨年十月調査しました。 コース別制度を導入しているのは全体の約1割。導入割合は30〜99人規模で5・9%なのに対し、5千人以上規模で46・7%など、大企業ほど高い。 全体の23%が過去3年間にコース別制度について見直した。5千人以上規模だけをみると45・2%に達します。見直し内容では 「コース転換の柔軟化」 37・6%、「コースの分割または見直し」 25・1%、「コース転換円滑化のための措置導入」20・3%が目立つ。しかし、「女性の割合が低かったコースに優先的に女性を配置」は9%にとどまりました。女性の総合職採用が少ないなどコース別管理のひずみを積極的に是正する姿勢は弱いようです。( 女性管理職(係長相当職以上)のいる企業が62・5% (2000年度より0・5ポイント増)にのぼるものの、高い役職に女性がいる企業は少ない。部長相当職では6・7%にすぎませす。 管理職(係長相当職以上)全体に占める女性の割合は5・8% (同0・7ポイント増)にとどまりました。やはり、高い役職ほど女性割合は少なくなる 女性管理職が1割未満、またはゼロという企業に理由(複数回答)を聞いたところ、トップは「必要な知識や経験、判断力などを有する女性がいない」で4・4%。以下、「勤続年数が短く、管理職になるまでに退職する」30・6%、「将来管理職に就く可能性のある女性はいるが、現在、管理職に就くための在職年数などを満たしていない」27・6%の順。 全体の約3割がポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)に取り組む予定はないとし、理由では「既に十分に女性が能力を発揮し活用している」(44・2%)が最も多数を占めています。 |