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2019年12月20日

2020春闘
「働く」はみんなのもの/第5話

キャバクラ女子~(5)パステルカラーの貧困


 

2015年、NHKのテレビ番組「特報首都圏」がキャバクラで働く女性の労働問題を取り上げた。ユニオンの交渉に同行した経験などからコメントを求められ、出演したが、番組を見た知人の感想に絶句した。
「番組に出てきた女性はきれいにお化粧した美人。貧困とかいうけど、楽をして遊びたい人なのでは」
出身家庭の苦境や、キャバクラで必死に働いた末に賃金を踏み倒された経緯が番組ではきちんと説明されていた。それが、「きれいにお化粧」の映像で帳消しになってしまう。破れた服でも着ていればよかったというのか。
やはり客観資料が必要なのかもしれない。そう思い立ち、キャバクラユニオンや知人のつてをたどり、18人に聞き取り調査をした。前職が不安定な仕事で、生活不安があったと答えた女性は12人いた。喫茶店の契約社員、美容師見習い、エステ、マッサージ、フリーターなど、短期雇用で低賃金の「現代の女性職」だ。
低賃金で貯蓄も不十分なため、キャバクラで生活費を補填(ほてん)する。そこでも、賃金未払い、「罰金」、顧客からのセクハラ、店からの暴言など、さまざまな人権侵害がある。
目立ったのは、「手に職をつける」ために卒業した専門学校の資格では、低賃金の不安定就労しかなかったという例だ。だが、それ以上に驚いたのは、大学を卒業して財閥系生命保険会社に就職したら完全歩合制で、営業成績が上がらなかった月はキャバクラでの副業で生活費を補填した、という体験談だった。
若い女性たちが生活資金を補うため、人権侵害が構造的に組み込まれている業界に向かうことが、ごく普通の社会。「赤貧」といった原色の貧困ではなく、パステルカラーの貧困がそこにあった。

〈写真〉
(連合通信) 


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