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2019年12月20日

2020春闘
山家悠紀夫さん(暮らしと経済研究室主宰)に聞く

賃上げと社会保障拡充が鍵


 

2020年春闘が始まります。米中対立など国外要因に伴う景気の減速で、交渉環境は例年になく厳しくなりそうです。元第一勧銀総合研究所専務理事で、「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんは「経済を好転させるためにも、大幅賃上げと、将来不安を少なくする社会保障の拡充が必要」と訴えます。

20春闘で経団連は、経済の先行き不安を理由に賃上げに慎重な姿勢を示していると報じられています。日本経済の現状をどう見るべきでしょうか。
山家さんは「政府は『緩やかな景気回復』と言っていますが、実際は失速寸前です。消費税を8%に引き上げた14年4月以降、消費が弱々しいのに景気が落ち切らなかったのは、輸出が支えてきたから。昨年秋に米中摩擦が始まり、輸出が急激な落ち込み過程に入ったことで様相が変わりました。日韓関係の悪化で韓国への輸出と訪日観光客も激減しています。さらに10月の消費増税で消費は再び落ち込むでしょう。この状況はしばらく続きます」と話します。
長年のデフレの最大の要因は内需の弱さでした。庶民の消費購買力が落ち商品が売れないのです。日本の異常さはこの20年の賃金の推移を見れば歴然。他の先進国が60~80%近く賃金が上がっているのに、日本は10%近く低下しました。
金融緩和でお金を市場に大量に注ぎ込むことで、設備投資を促し経済を好転させようとした「アベノミクス」はどうなったか。
「金融緩和をしてもお金の行き場がありません。日本銀行が国債を大量に購入して、銀行にお金を回しても借り手がいない。企業に現金が余っているのと、内需が弱く設備投資に踏み切れない。金融緩和が効かない状況です。第3の矢の成長戦略についても、成長産業の税金をいくらまけても、国内に需要がなければどうにもなりません」

●こんな時だからこそ賃上げを!

日本経済は手詰り状況。山家さんは「最近、消費性向(所得に占める消費の割合)の低下が見られます。この指標は、収入が下がっても生活の質はすぐに落とせないため、下がりにくいのが特徴。それが低下するのは、将来不安で貯蓄せざるを得ないからです。それなのに政府は消費増税や医療費負担増、年金給付引き下げなど、真逆の政策ばかり進めています。これでは経済がよくなるはずがありません。春闘での大幅賃上げと併せて、社会保障の負担増・給付減を阻止し、拡充させることが必要です」
では、どのぐらいの賃上げが必要でしょうか。山家さんは「控えめに言っても5%は十分支払い能力があります」と話します。財務省の18年度の法人企業統計では企業利益は84兆円。人件費200兆円の5%分は10兆円程度です。配当金や税負担を差し引いても30~40兆円は余る。10%の賃上げでも内部留保はさらに積み上がる計算です。
ただ、個別企業で見れば簡単ではありません。賃上げが広く行われるよう、不公正取引の是正など賃上げしやすい環境の整備が必要です。さらに、暮らせる水準への最低賃金の引き上げや、非正規雇用への規制を強化し、正規労働者を増やす政策が求められます。(連合通信)


 


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