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2015年12月18日

日本経済のためにも賃上げが必要
~2015年版「労働経済白書」が指摘~

グパル企業は最高企業利益

 グローバル大企業の最高益更新が報じられる一方で、庶民の暮らしは一向によくならず、日本経済も伸び悩んでいます。理由は、働く者の収入が増えず、国内総生産(GDP)の6割を占める消費が依然低迷しているから。2015年版労働経済白書(厚生労働省)が指摘しています。

賃上げで生産性向上を白書が労組主張認める

 白書に興味深いグラフがあります【図(1)】。労働者がどの程度の財やサービスを生み出したかを示す「労働生産性」と、実質賃金の伸びの関係を欧米と比較したものです。

 米国とユーロ圏は95年以降、両者がほぼ同時に上昇してきました。一方、日本は労働生産性の伸びがユーロ圏と変わらないのに、賃金は上昇するどころか低下しているのです。

 この要因について、白書は(1)労働者への分配の低下(2)価格転嫁できないことによる企業収益への圧迫(3)非正規労働の広がり――を指摘。そのうえで、賃上げを行うことが企業の生産性向上を促す圧力になるという見方を紹介し、「賃金と労働生産性のこうしたサイクルが回ることによって、持続的な賃上げが実現することが期待される」と結んでいます。

 労働組合が長年指摘し続けてきた日本経済のいびつさを国が認めたもの。経済再生という観点からも、賃上げには大義があるということです。

賃金アップで消費拡大一時金の効果は限定的

 11月、「経団連が3年連続でベア容認」と報じられました。しかし、経団連は15年春闘への対応指針・経労委報告で、一時金の引き上げも「賃上げ」に含めるとの考え方を示していました。成果を一時金で還元するという、従来の姿勢を変えてはいません。
 労働経済白書は、月例賃金と一時金の個人消費に与える影響を試算【図(2)】。所定内給与(月例賃金)が上昇した場合、家計は消費を増やしますが、一時金など特別給与の増加は効果が限定的と分析しています。

 将来にわたって安心できる収入を得ることが、日本経済のためにも必要であることを示しています。 (連合通信)

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