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2015年12月05日

「年金引き下げは違憲」
東京でも裁判スタート

原告が生活苦を陳述

 「年金引き下げは違憲」として国に減額の中止を求める「年金裁判」が12月2日、東京でも始まった。年金裁判は、2013年10月から実施された1%の減額は憲法25条(健康で文化的な最低限度の生活保障)を侵害するとして、全日本年金者組合が呼び掛けたもの。現在全国39都道府県で提訴され、原告は3801人に上る。今回法廷に立った原告の訴えを紹介する。(東京で始まった年金裁判で陳述した原告たち。「貯金が尽きたら死ぬしかないのか」など厳しい生活実態を訴えた(12月2日、都内で開かれた報告集会で)

▼貯金尽きたら死ねと言うのか/斎藤美恵子さん

 68歳です。子どもが10歳の時に離婚し、両親の介護をしながら子どもを育ててきました。

 60歳になったときに変形性股関節症を発症し、5年後に手術を受けました。今年の9月の健診で片方の脚にも変形性股関節症が見つかり、現在身体障害者4級です。大腸や胃は経過観察と診断されています。

 仕事が変わりながらも厚生年金、国民年金は納めてきました。頼りの年金がひどい状態になり、怒りを覚えます。

 私の年金額は月額6万475円です。住んでいる中古マンションの管理費、修繕積立金が月2万、介護保険料8000円のほか、健康保険料、医療費、食費、水道光熱費、通信費などの出費があり1カ月の生活費は6万円ではとても足りません。不足分は苦心してためてきた貯蓄で補てんしての生活です。

 貯金がなくなったら、マンションを売り、ホームレスになるのかな、お金がなくなるか、死んでしまうのが先かな、とゲームのような問答をしています。切ないです。今後30年間年金を減額していくことは、つまり貧乏人は死ね、と言わんばかりの政策としか思えません。これ以上の弱い者いじめはやめてください。

▼40年真面目に納めてきたのに小林静子さん

 現在74歳です。年金は20歳の時から60歳まで40年支払ってきました。年金額は月額6万4800円、夫の年金5万7800円と合わせて12万2600円です。

 それに対し、2人の介護保険料と国民健康保険料、医療費、デイサービスの料金が1万2237円です。その月の決まった出費が2万7612円で年金額から引くと残りは9万4988円。その金額では夫婦2人でとても生活ができません。

 生活費を切り詰め、冷蔵庫はがらがら。旅行も行けません。何か一つするたびに、どうやりくりしようかとお金のことを考えます。そのたびに精神的に落ち込みます。

 私は血圧とコレステロールの薬を飲んでおり、夫は脳梗塞を患い、また心臓に問題があるので医療費がかかります。そんななか、今回私の分として8000円、夫の分として7400円の年金が減額されました。これまでも生活ができない状態だったのに、さらに減らすというのは普通では考えられません。40年間大変な中で納めてきた年金を減額するなんて許せません。 貯えがなくなったなら生活保護を受ければいい、ということも聞きますが、生活保護は病気になったり職がなかなか見つからなかったりして収入がない人のための制度。私はしっかり年金を納めてきました。なんでも生活保護を受ければいいということではないと思います。(連合通信)

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