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2016年01月19日

ワークルール教育の課題探る
日弁連がシンポ

若者使い捨ての働かせ方改善へ

 シフトを勝手に入れられる、お店の商品を買わされる、辞めさせてもらえないなどワークルールを無視した若者使い捨ての働かせ方が広がっている。そうした実態の改善をめざし、関係者の議論が始まっている。日本弁護士連合会が1月12日に行ったワークルール教育に関するシンポジウムでは、高校、大学の教員やユニオン活動家が今後の課題を話し合った。

▲周りはブラック職場

 厚生労働省によるブラックバイト調査や「ブラック企業対策プロジェクト」の調査によれば、6割以上の学生がアルバイトで違法行為や不当な扱いを受けている。法政大学の上西充子教授は、被害を受けた学生の約半数が「何もしなかった」と回答している点について「職場での人間関係が悪くなれば仕事を続けられないため、違法と知っていても声を上げない学生が多い」と指摘。そうした現状に対し、「知識や法律だけでなく、ユニオンなどでの相談から解決に至る具体的な道筋を示すことが重要だ」と述べた。

 神奈川県高等学校教職員組合の成田恭子副委員長は、声を上げにくい高校生たちの現状について、「大学でのブラックバイトの『予備軍』になっている。こうした現状が将来の『働く基準』になってしまう」と危機感を示した上で、こう述べた。

 「不当な扱いを受けても、それを自分自身で気付けていない可能性もある。まずおかしいことを『おかしい』と思える感覚と、それを周囲の人に相談することが大事」。

 首都圏青年ユニオンの神部紅委員長は、「当事者だけでなく保護者や教員、上司や事業主など周りにいる大人と一緒に考えていく場が必要」と指摘。労働組合の団体交渉は、ワークルールを実践的に学び、行使していくための有力な手段になりうると指摘した。

 法曹界でも取り組みが始まっている。日本労働弁護団では、学校や地域でワークルール教育を推進していくための基本理念を定めた法律案(第一次案)を昨年11月に発表した。日弁連労働法制委員会ワークルールPT座長の菅俊治弁護士は「ブラックな働かせ方を問題だと思わせない教育が行われているなか、それをどう打ち返していくのか。人間らしく主体的に働ける社会をつくるため、行政を含め関係機関や団体が力を合わせていくべき」と述べた。 (連合通信)

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