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2016年02月15日

やはり関税ゼロは義務だった
〈TPP協定文の分析〉(1)

コメなどの除外規定なし

 TPP(環太平洋経済連携協定)の協定文には何が書かれているのかを、山田正彦元農水相らの市民グループが分析し、このほどその成果の一部を公表した。安倍首相らは「国益を守った」「日本経済にプラス」と胸を張るが、実際の協定文には国民の権利や安全な生活を侵害する規定が随所に埋め込まれているという。テーマ別にその分析結果を紹介する。第一回は農産物を取り上げる。(分析結果は公開されている→http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.2.pdf)

▲7年後には見直し

 農産物貿易に関する規定の分析を担当した農民連の岡崎衆史国際部副部長は「史上最悪の農業つぶし協定だ」と指摘する。

 政府はコメなどの関税を守ったというものの、実は協定文には関税撤廃からの「除外規定」がないという。日本とオーストラリアが結んでいるFTA(自由貿易協定)など、過去の貿易協定にはしっかり除外規定が明記されている。それがないということは、あくまで関税ゼロが義務ということ。米国が以前から言っていたように、例外は認めないスタンスなのだ。

 協定文は、関税ゼロを実現するための仕組みとして、(1)日本の約束は7年後に見直す(2)段階的に税率を引き下げる品目は時期の繰り上げを協議する(3)貿易促進のための「農業貿易に関する小委員会」を設置する――などの規定が設けられている。7年後見直しについては、農産物輸出国(米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、チリ)からの要請があれば協議に応じなければならないこととされた。

▲日本が草刈場に

 岡崎氏は「日本だけがこれら複数の国の要請に応じなければならないと約束している。関税撤廃率が相対的に低い日本に対し、今後農産物輸出国が関税ゼロを迫ってくるのは明らか」と指摘している。

 つまり、昨年10月の「大筋合意」は最終合意ではなかったということだ。あくまで関税ゼロに向けた通過点であり、日本は一層の自由化に向けてたがをはめられたとみることができる。 (連合通信) 

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