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府職労ニュース



2011年10月25日

政府の給与引き下げ法案を廃案に
府人事委員会は生活改善につながる勧告を

ウォール街の青年のように今こそ声上げよう

 人事院勧告が出された9月30日を境に、マスコミからの「『8%削減』ほごにするな」(10/1「毎日」)、「人勧だけの削減では不十分だ」(10/1「読売」)、「(削減)法案を成立させるべきだ」(10/1「朝日」)など、公務員賃金大幅削減を煽る報道が噴出しています。職場からは「それっておかしくないか!?」との声が挙がっています。

民主、連合、マスコミが「8%削減を」の大合唱

 「こんなことが、まかり通ったら大変なことになる」「住宅ローンや教育費などを含めた生活設計が、ズタズタにされてしまう」「〝震災復興のため〟との冠を付ければ、何でもやれると考えているのか」

 これらは、9月30日付けで出された人事院勧告を契機に、マスコミがいっせいに行った公務員給与をめぐる報道に接した職場からの声です。

 野田首相は人事院勧告についての政権としての対応について「関係閣僚によって協議している最中」として明言しない一方では、平均年収の8%もの引下げとなる給与特例法案への対応について、10月5日の衆院の復興特別委員会の場で「成立に万全を期したい」と明言しました。

 一方、連合の古賀会長は11日の野田首相との会談で、人事院勧告(▲0・23%)について「実施すべきではない」と、改めてその見送りを求めるとともに、「給与特例法案成立に向け全力を挙げてほしい」と求めました。「法案は震災復興にも資する。野党の協力もいただき、成立を期したい」(10月4日の記者会見での前原政調会長)と民主党も同様の立場に立っています。

 「政権の選択肢は限られている。①人事院勧告を無視し、あくまで特例法案の成立をめざす②勧告を実施した上で、特例法案の成立もめざす③勧告だけを実施する④勧告内容を取り込んだ特例法案を出し直す」(10月10日付け「朝日」)との報道もありますが、復興財源の捻出や、公務員制度改革法案との関連もあって、先行きは不透明で予断を許さない現状です。

「約束違反の現給保障廃止は認められない」

 北上地協がとりくんだ人勧学習会の参加者からは、8%もの国家公務員の給与引下げ法案について「公務員の待遇が保障されなくなったら、その影響は民間に及ぶ。経済も今以上に停滞する」「大反対!」「真に復興財源のためなのか根拠を明確にされたい」などの声が寄せられました。

 また、京都府職員では55%が対象者で平均月額14000円もの減額(昨年度の数字)となる現給保障の廃止などをはじめとする人事院勧告の内容についても、「大変!」「ガクッ!」「世代間の対立を生むような考え方はよくないと思う」の声が挙がりました。また、今月末にも勧告が見込まれる京都府人事委員会に対して「契約違反みたいなことをするのは止めてほしい」「国追随を避け、京都府の独自性を発揮してほしい」の声が寄せられました。

今こそ声を挙げよう

 10月12日には、府職労として「勧告にあたっての要求書」を提出。現給保障の廃止について「寝耳に水の内容。軽々に結論を出すのではなく、慎重な検討を。『給与構造改革』において抑制された額の回復こそ必要」と主張。一時金についても「東北3県の状況を『類推』して意図的に改善を見送った国と同じような対応は、あり得ない」と指摘し、見識のある勧告を行うよう、強く求めました。

 事務局長は、現給保障の廃止について「府では対象者の比率が国よりもはるかに高く、比較的、高額な職員も多い現状があり、人事委員会としてしっかり考えていきたい」と答えました。

 10月4日の京都自治労連に続き、6日には京都公務共闘が、12日には京都総評が府人事委員会に対して「人事院勧告に追随したマイナス勧告をしないこと」などを申し入れています。そのいずれにも共通しているのが「生活改善につながる勧告を!」の要求です。ましてや、8%もの国家公務員の給与引下げ法案については「とんでもない。廃案に!」が共通した声です。

 人事院総裁は勧告前に首相と面会したおりに「勧告を尊重しないと憲法違反」(10月10日付け「朝日」)と異例の訴えを行ったといいます。

 「震災復興のため」との理由付けで、憲法違反を犯してまで公務労働者に痛みを強いることで、民間労働者や最低賃金も引き下げ国民全体の大増税に道を開こうとする戦略は明らかです。年金の支給開始年齢の68歳~70歳へのくりのべ案も浮上しています。今こそ、公務労働者が声を挙げ、国民にたたかいをよびかける時です。アメリカのウォール街のデモのように。

民間労働者も
「マイナス勧告するな」

京都総評などが府人事委員会にいっせい申し入れ


 京都総評による人事委員会への申し入れでは、「京都では最低賃金を目安額より1円多く引き上げることとなった。この動きに冷や水を浴びせるな」「ボーナス据え置きは論外だ」「人事委の権能、役割からいって、マイナス勧告はいかがか」「民間では賃金引き下げは、会社業務の継続のために他に術がない場合に限られている」「生計費原則を重視すべきだ。40代、50代は、子の教育費など最も生計費を必要とする世代だ」などと主張しました。

 事務局長は、「勧告は府職員3万人に留まらず、公益法人等にも影響していることは承知している。指摘の負のスパイラルはあるだろう。しかし、公民比較を旨としている。理解してほしい」「昨年は、管理職員の賃金カットをしているため、指摘のある不利益遡及はしていない」などと回答し、「みなさんの意見は人事委員には伝える」と答えました。