京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金  料理 大学の法人化
京都府政 NOW



子どもの医療費助成の拡充など府民の要求が実現
170人の職員削減

事務事業の見直しで四六億円を削減

 事務事業の廃止・休止、事業費の削減で総額四六億円を減らしています。「長く続いている事業は全て見直しの対象」というトップの方針で、既存事業の大幅な見直しが行われています。この中には、例えば「産病休代替職員設置費等」(児童福祉施設における産休病休代替職員の設置費に対する支援」を「事業内容の精査」として削減しています。また指定管理者やその他の外郭団体に管理委託している施設の管理・運営助成費を削減していることなどの問題があります。なお、廃止・休止の対象とされた事業には、より府民が利用しやすい形に組替えるなど、現場の職員の努力で、新規事業として、結果的に生き残っている事業も数多くあります。
 また、高齢者地域活性化推進費などいくつかの事業を市町村未来づくり交付金に移行していますが、それに見合った同交付金の額は増えていません。
 事業の廃止・休止や事業費の削減が府民の暮らしにどのように影響するのか、府民的議論が必要です。

重点化で公共事業費を削減

 「府民の安心・安全、教育力の向上等に繋がる事業に重点化」するという理由で、普通建設事業費を七二億円減額しています。土木公共事業(マイナス五%)、土木単独事業(マイナス一〇・五%)が減額されています。生活関連施設の緊急整備事業費も二億円マイナスの二八億円となっています。一方で、京都高速道路関係に九億四〇〇〇万円、京都縦貫自動車道に五億円、舞鶴港和田埠頭整備に三億九〇〇〇万円など、大型事業には巨額を投入しています。
 重点化で、生活密着型の公共事業がどのようになっているのか、検討が必要です。

市町村未来づくり交付金の性格変更

 市町村未来づくり交付金は対前年比一億円増の二一億円が計上されています。しかし、うち三億円は「地域力再生推進枠」、一億円は「市町村行財政改革・財政健全化支援対策枠」としています。市町村の地域づくりなどに自主的に活用できるという本来の性格に、府の政策的誘導を持ち込んできています。市町村支援の財政的支援施策としてどうあるべきか、議論が必要です。

企業立地やIT産業を優遇

 企業立地を促進するため、立地企業に出す補助金や融資の額を増やしています。一方で、誘致企業に対する補助金は正規雇用や障害者雇用に厚くされています。格差社会・ワーキングプアを生み出す非正規雇用の増大に国民的な批判が高まったことが背景にあると考えられます。
 また、ITバザール推進事業費やベンチャー企業の研究開発への助成を増やしています。長野県では、一万にのぼる企業を三年かけて職員が訪問し、実態を把握するという、地道できめの細かい取り組みを進めました。京都においても、全産業を網羅した実態調査を府職員を軸に行うことが必要ではないでしょうか。

京都の実態にあった農業施策を

 「品目横断的経営安定対策に参加できない中小規模農家」が多い府の実態をふまえ、「伸ばそう京の特産産地づくり支援事業」が新規実施されますが、多面的な担い手対策の充実が、今日、いっそう求められています。府農政あげての取り組みが必要です。地域農林漁業を巡っては、担い手育成以外にも、地産地消、野生鳥獣害対策など重要な課題が多くあります。

国の方針・施策と「集中と選択」のもとでの教育予算

 少人数教育や特別支援教育などにおいて府の独自性が強調されていますが、基本的に国の施策や教職員定数の枠内で実施しており、学校現場や市町村の実態・要望に合わない面があります。また、養護学校新設については、府立高校廃止の跡地に建設するもので、南部地域に養護学校をという府民要求に応えたものの、根底にある府立学校再編・統廃合方針に関して、今後も注視しなければなりません。
 多くの重点・新規事業が、臨時教職員など不安定雇用に依拠していることなども問題です。

今年度も給与費プログラムを推進

 人員の機械的削減を進める給与費プログラムを推進するとして、職員定数一七〇名の削減や給与構造改革などで七三億円の削減を計上しています。給与費プログラムでは総務事務の電算化に伴う大幅な人員削減をうたっていますが、当局は事務量の変動がどのようになるのか早急に明らかにすべきです。

電子府庁化は費用面からも検証が必要

 情報共有化推進事業費(三八〇〇万円)、電子申請推進費(六七〇〇万円)、財務業務改革推進費(一・一億円)、総務事務集中化推進費(九九〇〇万円)、内部事務アウトソーシング推進費(一・九億円)、統合型GIS推進事業費(五一〇万円)、財務電算再構築推進費(二九八〇万円)など、電子府庁推進関連予算が、八・六億円も計上されています。大半が、次年度以降も継続される維持管理的な経費であり、府民にどれだけ還元されるのか費用対効果面からの検証が必要です。例えば、外務省は電子パスポート申請に一件当たり一六〇〇万円かかる実態をふまえ、中止しました。
 また、電子府庁化で事務量がどうなるのか検証もされないまま、定数削減を先行させるやり方にも大きな問題があります。


公務労働を考えるインデックスへ