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2012年 6月15日

不当な分限解雇は許せない
大阪高裁で第3回口頭弁論 

社保庁職員の分限免職裁判 

 大阪地裁で京都原告団の第3 回口頭弁論が5 月28 日に開かれました。今回の弁論で原告側は「年金制度に対する信頼回復について」「分限免職回避努力義務について」の2つの準備書面を提出し、今回行われた分限免職(整理解雇)がいかに不当だったかを主張しました。

 「年金制度に対する信頼回復について」の陳述で渡辺弁護士は、国側が主張する「年金制度の信頼回復のため社会保険庁の廃止を決め、行き先が決まらず退職届を提出しなかった職員を等しく分限免職処分にした」ことに対して、次のように反論しました。

 「国は、年金制度への不信を行政不信にすり替え、あたかも信頼失墜が末端の職員に原因があったかのように主張していることや、社保庁を解体し、日本年金機構には懲戒処分歴のある職員は採用せず、大量の職員を解雇することによって年金に対する信頼の回復を図ろうとしたことは、全く見当違いである。度重なる年金制度改悪による信頼失墜、過去から指摘されていた記録問題の先送りは、政治家や厚労省・社保庁の幹部の責任であり、末端職員への責任転嫁は許せない」

 また、被告の国が主張する「分限免職回避努力義務を負うのは任命権者(社保庁長官・都道府県事務局長)のみであるから、任命権者の権限の範囲で努力が尽くされたかどうかが問題。厚労大臣や内閣の取り組みの経過は『事情』にすぎない」に対して毛利弁護士が次のような反論をしました。

 国側の主張は、ここでも政府や大臣の責任を転嫁するもの。「民間における整理解雇4要件を採用した判決では、『解雇は労働者から生活の手段を奪い、その者の人生計画を狂わせる場合すら少なくない。解雇が労働者の生活に深刻な影響を及ぼすものであることにかんがみれば、企業運営上の必要性を理由とする使用者の解雇事由も一定の制約を受けることを免れないものというべき』とされており、民間における雇用関係において労働者の生存権(憲法25条)の趣旨から見ても、使用者に解雇回避努力義務を課している。

 公務員関係においても何らその趣旨は変わることがなく、過去の最高裁判決では『公務員についても憲法によってその労働基本権が保障される以上、この保障と国民全体の共同利益の擁護との間に均衡が保たれることを必要とすることは、憲法の考えと解釈されるので、その労働基本権を制限するにあたっては、これに代わる相応の措置が講じられなければならない』とされていること、同判決では「公務員は、私企業の労働者と異なり、国民の信託に基づいて国政を担当する政府により任命されるものであるが、憲法15条の示すとおり、実質的にその使用者は国民全体であり、公務員の労務提供義務は国民全体に対して負うものである』として、国家公務員の使用者が国民全体ないしはそれを代表する政府全体にあることを明言している。 このことは、国家公務員の使用者が国家全体(政府)であることは争いようのない事実である。また、国家公務員法27条において平等取扱原則が定められており、同法74条によって身分保障がされており、平等な取り扱いがされなければならない。

 過去に中央省庁の再編や行政部門の廃止の時には一人の分限免職も出しておらず、雇用調整本部(省庁間で職員の配転調整を行う機関)などを設置して分限回避努力が行われたが、社会保険庁廃止では、そのような回避努力が全くされなかったのが実態である」

 次回の第4回口頭弁論は、9月19日11 時30 分から開かれます。

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