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2012年10月 2日

各地で紛争引き起こす
〈労使関係壊す「合同労組対策」〉上  

木で鼻くくる不誠実団交 

 個人加盟の地域合同労組(地域ユニオン)を否定する使用者側弁護士が、各地で労使のあつれきを生じさせている。不毛な論争を仕掛け、団体交渉を形骸化させるのが特徴。ユニオンの勢いが削がれることもあり、軽視はできない。その手口と対策を紹介する。

▼弁護士迎え対応一変

 千葉市にある運送会社では、2010年末に社員55人のうち42人が建交労の分会を結成した。

 分会などによると、当初は社長らが団体交渉に出席していたが、新たに弁護士を迎え入れたあたりから対応が変わり始めた。会社は申し入れを全て文書で行うよう指示。団交を拒否はしないが、要求や抗議には一貫して木で鼻をくくる対応になり、社長の出席もなくなった。

 社員を残業させるのに必要な36協定の提示を求めると、「その申請の立場と趣旨を書面にて提出するよう指示する」という理解しにくい文書が届き、らちが明かず社長に電話すると、今度は「社長に就業時間中に架電し当社の業務を妨害した」と弁明書の提出命令を乱発された。以後は弁明しても、何を要求し申し入れても、「当を得ないものと思料する」との回答を寄こした。

 結成後1年半以上が過ぎた今も、結んだ労使協定・労働協約はゼロ。有給休暇取得のような労働基準法上の問題もいまだに前進が見られない。分会幹部は「こんなやり方を許してはならない」と憤る。

 千葉労連の本原康雄委員長は「実のある交渉が進まないと、組合員がじれてくる。動揺を誘う手口。JMIUや全国一般でも同様の争議が起きている。対策が必要だ」と語る。

▼息の根止めるのが狙い

 大手牛丼チェーン店のアルバイトらが加入する首都圏青年ユニオンとの5年に及ぶ争議にも同じ事務所の弁護士が関わっていた。

 ユニオンなどによると、会社側は、組合員が政党機関紙で選挙の投票を呼びかけたことを挙げて「政治活動が目的」などと決めつけ、同ユニオンを団体交渉権を持つ労組とは認めないとの主張を続けたという。揚げ句には、「(アルバイトは)請負契約に類似する業務委託」と、労働者性の否定を試みる珍論も繰り出した。

 団交応諾義務をめぐる行政裁判は7月、東京高裁が会社側主張を「独自の見解」と一蹴。労組の完勝だった。

 数人のアルバイトの粘り強い闘いが大企業に勝利した争議だが、ダメージも被った。結成当初、残業代の不払いを一部是正させ、各地で組合加入が相次いだが、その後の交渉形骸化に伴い、組織化は失速していったのである。

 ユニオンの山田真吾書記次長は「(地域合同労組対策の)弁護士はユニオンの息の根を止めることで評価されるのだろう。ひどい経営者と結びつくことであのような主張が生まれた」と振り返る。

▼合同労組はまず疑え?

 こうした地域合同労組対策を勧めている弁護士は、合同労組が要求書を送ってきた場合、労組の適格要件(目的、自主性、民主性、雇用関係の有無など)を満たすかどうか、要求事項が妥当かなどを、徹底的に疑うよう法律実務誌などで指南している。

 その基礎には特異な地域合同労組観がある。著書では「合同労組こそは労組法の求める諸要件を欠如した『有名無実の組合』の最たるものであり、その組織・活動が法によって許されざるものであり、文字通り法外者(out law)と呼ぶべき存在ないし活動体ではなかろうかとの疑念を禁じ得ない」との私見を披れきしている。(つづく)

 

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