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2012年 6月28日

談合で消費増税法案を強行 
弱者いじめの民自公

民主、社会保障の主な公約投げ捨て  

 消費増税法案が6月26日、衆議院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決され、参議院に送られた。民主党の野田政権は「社会保障と税の一体改革」を掲げていたが、自公との3党合意で、後期高齢者医療制度の廃止や最低保障年金制度の導入などの社会保障の主要な公約を棚上げ。「改革」は消費増税だけが先走ろうとしている。 

▼不公平を助長する危険

 連合通信はこれまで再三にわたって「消費増税が社会的弱者の生活に大打撃を与える」と指摘してきた。零細商店は大型店との価格競争にさらされており、税率が上がれば、客に転嫁できずに廃業するケースが出てくるはずだ。そうなれば、いずれの商店街も大型チェーン店ばかりが並び、地域社会の崩壊につながりかねない。

 高止まりの失業率が悪化し、年3万人台で推移する自殺者数も増える恐れがある。

 下請けの中小企業は、発注元の大企業から消費税の支払い分を削られることが多く、税務当局からは取引の存在を理由に納税を迫られている。増税はこれに拍車をかけそうで、追い込まれた中小企業の倒産が相次ぐ事態になるだろう。消費税の二重課税を防ぐ「仕入れ税額控除」の仕組みを使って社員を派遣化すれば、人件費を圧縮できる点もある。税率がアップすれば、さらにコストダウンできるので、派遣社員はさらに増加しそうだ。

 倒産や派遣化が進めば、労働市場は完全に企業の買い手市場となり、派遣切りなどで職を奪われて将来を悲観する人があふれる危険がある。その一方で輸出大企業は、輸出先での課税による重複を理由に、国から多額の還付金を受け取っている。消費税は不公平な税制なのだ。

▼社会保障と財政の実態

 政府や3党は、こうした深刻な問題を無視している。岡田副総理は25日に「下請けが増税分を転嫁できるように取り締まる」と述べたが、それが可能ならば、消費税導入から今までの間にただせたはずだ。政府は、低所得者向けに現金給付などを講じるとしているが、具体的な対象は決まっていない。税制改革といいながら、引き下げ続きである所得税の最高税率見直しは検討段階にとどまっている。

 野田首相は、増税法案の衆院通過後の記者会見で「現役世代、子育て世代が疲弊をしながら、今の日本の社会保障を支えるということは、もはや限界がある」と発言。消費増税が社会保障のためという主張を繰り返した。

 だが、10%引き上げで得られるという税収約13兆5000億円のうち、子育て支援に回るのはわずか5%の7000億円。民主党はマニフェストの柱だった「子ども手当」を月2万6000円にするという約束も反故にした。年金や高齢者医療の課題は「国民会議」で今後議論するというが、名称とは裏腹にどのような制度になるのかは国民には皆目分からない。「社会保障を支える消費増税」が虚構とみなされても仕方ない。

 世論には、財政悪化を理由に消費増税を理解する声も少なくない。だが、危機が取りざたされている欧州各国の政府の借金は外国からもので、国内が9割に上る日本とは緊迫度がまるで違う。日本の財政が本当に危ないならば、なぜ超円高傾向が続くのか。こうした事実を見ずに「財政破綻の危機」をあおるやり方は極めて乱暴だ。

育児、高齢世帯を直撃消費増税の影響試算

 民間シンクタンクの大和総研は6月22日、消費増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」による家計への影響について試算結果を発表した。消費増税や子ども手当の減額、年金減額などで子育て世帯や高齢者世帯ほど家計への打撃が大きくなっている。

 試算は2011年時点と消費増税後の16年の年収を総合的に比較したもの。

 40歳以上の夫婦(働き手は1人)で中学生の子どもが2人いる世帯の場合、世帯年収(税引き前)が300万円のケースで約24万円の所得減、同500万円で約33万円減、同1000万円で約62万円減となった。減少率は年収300万円世帯が8・87%のマイナスで最も高い。75歳以上の高齢者夫婦世帯では、年収360万円のケースで約28万円減少する。

 いずれのモデル世帯でも消費増税が収入減の大きな要因となっている。 

「3党合意の暴挙に抗議」消費税廃止各界連絡会

 全労連や民主団体でつくる「消費税廃止各界連絡会」は6月26日、「消費税大増税と社会保障解体を国民におしつける『3党合意の修正法案』の衆議院採決強行に断固抗議する」との談話を発表した。

 各界連は、消費増税法案などが民主、自民、公明の3党合意で衆院可決されたことを「増税談合」と厳しく批判。「国民の多数が消費税増税に反対しているにもかかわらず、大増税を国民におしつけた暴挙」と非難した。

 さらに談話は、社会保障の関連法案についても「国が生存権を保障する憲法25条を真っ向から否定し、家族と国民相互の『助け合いの仕組み』に変質させようとしている」と指摘。「これらの悪法を参議院で廃案に追い込むため、全力をあげてたたかう」と決意表明している。

                                                              

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