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2012年 7月20日

公共工事の品質確保、処遇改善へ前進 
全国で進む条例化

公契約条例は実現段階へ   

 東京で6月、渋谷区と国分寺市で公契約条例が実現しました。全国6例目。今や実現段階です。

▼地域経済活性化のために

 「公契約(コウケイヤク)」とは、国や自治体が発注する工事や委託業務のこと。近年、「安ければ安いほどいい」とされ、入札価格が下がり続けてきました。その結果、働く人の賃金が生活保護を受けられるほど低くされたり、工事やサービスが手抜きになるなどの問題が起きています。

 そこで、解決策として注目されているのが「公契約条例」。競争入札を行いながら、働く人や業者を守る仕組みです。

 ポイントは、「これ以下で働かせてはならない」という賃金の最低ラインを定めていること。東京都多摩市の条例では、清掃やビル管理などの委託業務が時間給902円、公共工事は大工さんが2093円とされるなど、都の最低賃金(837円)を大きく上回っています。受注会社の従業員だけでなく、「一人親方」や下請け、派遣労働者にも適用されます。

 同時に著しいダンピング(値下げ)競争に歯止めをかけるため、発注額を適正な価格にすることを自治体に課しています。

 労働組合法や安全衛生法など労働法順守も明記されました。「次の入札」を考える受注企業が違反しにくい仕組み。建設産業の労組からは「建設現場で初めて働くルールができる」と喜ばれています。
 
▼被災地でも熱望
 
 被災地では仙台弁護士会が3月、公契約条例を求める声明を発表しました。

 復興関連事業では十数次もの下請けが間に入ります。末端の賃金は手数料が差し引かれ、「1日6000~7000円台」(宮城の運輸関連労組)。それでも不払いの相談が絶えないといいます。

 これでは肝心の被災地にお金が回りません。声明は地域経済活性化のためにも必要と強調しています。

▼国際労働基準で 

 公契約条例は国際ルールでもあります。ILO(国際労働機関)第94号条約がそれ。公契約の労働条件は国内の法律や労働協約よりも「有利な労働条件」とするよう定めています。

 「公契約は民間の模範たるべし」。貧困を生む競争ではなく、「好循環」を生む出発点にとの考えです。
                                                         

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