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2013年 7月 4日

6原発12基が再稼働申請へ
迫る原発再稼働(下) 

放置される核の危険と国民目線

 電力会社は6月26日の株主総会で、原発再稼働を柱とする経営方針を示し、脱原発を求める提案を退けた。それだけに、原子力規制委が大飯3、4号機運転継続を判断したのは「吉報」だった。

 北海道、関西、四国、九州の4社は、新規制基準施行の7月8日からすぐにも再稼働申請を出す構え。福島第一原発事故を起こした東京電力も、株主総会で柏崎刈羽原発の再稼働を進める姿勢を打ち出している。

▼「弱み」握られた規制委

 申請第1陣と目されるのは、前出4社が持つ6原発12基。全ての原子炉が福島第一と異なる加圧水型(PWR)だ。規制委の新規制基準ではPWRについて、緊急時の放射性物質の排出を減らす「ベントフィルター」の設置を5年間猶予。4社は申請準備を大幅に省くことができた。

 規制委は、3チームで審査を進める。田中俊一委員長は一つの炉にかかる審査期間を「半年間」とするが、大飯の現状評価のように複数の炉をまとめて見るケースも出てきそうだ。

 その上で、審査の焦点になるのが「活断層の有無」。原子炉建屋など重要施設の真下に動く可能性がある地層のズレがあれば、運転は認められない。

 ただ、活断層の判断は、専門家の間でも意見が分かれがち。規制委の専門家調査団は、敦賀原発の破砕帯(断層)を「活断層」とみなしたが、大飯原発については結論がまとまらず、規制委は問題を棚上げにしたまま運転継続を認めた。

 このため、今後の審査で敷地内の地下構造をめぐって行き詰った場合、電力各社は「大飯基準」を突破口に「直ちに安全上重大な問題が生じないなら、運転を認めてくれ」と主張する可能性が高い。大飯でゴーサインを出した規制委の弱みを握った形だ。

▼見切り発車

 見切り発車の動きも出てきた。6月27日には、関西電力が仏アレバ社に製造を依頼していた、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を高浜原発に搬入。再稼働させた上で、プルサーマル発電も進めるというのだ。

 だが、関電はMOXの明確な利用計画を示していない。電力各社の原子炉は、PWRと沸騰水型(BWR)のいずれもがウラン燃料使用を前提に設計され、MOXを使うのは危険が高いという課題があるためとみられる。使用済み燃料に含まれる放射性物質の毒性もより強まるともいわれている。

 そこで、放置されている問題が浮かび上がってくる。日本では、MOXどころか各地の原発敷地で保管される使用済み核燃料の再処理はできないという事実だ。

 青森県六ヶ所村の再処理工場はトラブルが続発。建設費だけで数兆円以上という莫大なコストが膨らみ、稼働のめどすら立っていない。この現状で原発再稼働が相次げば、プルトニウムを多分に含む「核のゴミ」は確実に増えていく。言うまでもなくプルトニウムは、核兵器の原料だ。

▼「プルトニウム増やすな」

 「日本はすでにプルトニウムを44トン持っている。このままでは国際社会から『使わないなら増やすな』と非難される」
(連合通信)  
                  

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