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2013年 2月 5日

原子力ムラ体質やはり残る 
規制庁審議官報告案漏えい

個人の問題で片付けるな

 原子力規制委員会が2月1日、事務局の原子力規制庁ナンバー3、名雪哲夫審議官を更迭した。1月28日に公表された敦賀原発の断層調査報告書案を、6日前の22日に事業者の日本原子力発電に渡したのが内規に反したという。

 規制庁職員の多くは旧規制当局の経済産業省や文部科学省などから異動しており、名雪氏も文科省出身だ。当初から「電力会社と癒着する『原子力ムラ』にいた人たちに規制できるのか」との懸念があったが、不幸にも的中してしまった。

 名雪氏はとりわけ責任が重かった。報告書案の記述を変えられる権限を持ち、原発の「新安全基準」検討チームの一員でもあった。連合通信の取材では、名雪氏が会合で発言することはなかったが、国民の安全を左右する新基準の策定に加わっていたのは事実だ。

▼悪癖認めて改めよ

 旧規制当局では、名雪氏のような行為は当たり前だったとみられ、処分したことに価値があるとの見方もできなくはない。ただ、規制庁が「本人の自覚の問題」として、調査を打ち切ったのはまずい。組織の問題として受け止める姿勢がなければ、国民は不審に思うだろう。新基準の策定作業が拙速であると指摘されているからなおさらだ。

 田中俊一委員長は「十把一からげの議論は反対。職員も覚悟をもっている」と語ってきたが、ムラの悪癖は職員に染みついているという前提で改めないと、不祥事は繰り返されそうだ。
                                

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