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貧困と格差・地方切り捨ての自治体構造改革路線転換を
自治労連が総務省交渉を実施

 自治労連は9月27日、2007年秋季年末統一要求書にもとづく総務省交渉を行いました。貧困と格差・地方切り捨てをすすめた「構造改革」路線に対し、先の参議院選挙において民意が示したノーの審判は、地方自治破壊を進めた結果に対する「地方の反乱」とも言われています。民意に沿った行政が強くもとめられるにもかかわらず、総務省が8月30日、08年度総務省重点施策で打ち出した「21世紀型行財政システムの構築」は、集中改革プランに基づく自治体改革をすすめるとして、総人件費削減、定員の削減、市場化テストの活用など、効率性を絶対視した行政の市場化・民営化路線を推進する立場に立っています。また、「財政健全化法」も中央統制の強化と自治体リストラを誘導するものになっており、「国民の投票行動」を理解していないものです。

 また、総務省の調査でも45万人余に上る自治体における非正規職員の増大、その劣悪な処遇によって、膨大な「官製ワーキングプア」を生み出し、地域の貧困を広げ、地域格差拡大をつくり出してきたことがマスコミでも指摘されるもとで、自治体雇用の非正規労働者に法的光を当て、抜本的な賃金労働条件の改善が喫緊の課題となっています。

 そして今年の給与改定は9年ぶりの年収ベースでのプラス勧告ではあるものの、地域手当改善に41%、一時金・勤勉手当の査定原資に0.03月分を配分することを示すなど、地域格差と成果主義的格差をつけるもので、「誰でも賃金改善を」の要求に相反する内容です。加えて総人件費攻撃、「給与構造改革」の徹底に係わって、現業賃金攻撃など更なる賃金削減をおし進めようとしています。

 自治労連は交渉において、総務省として国民の投票行動をしっかりと理解し、貧困と格差・地方切り捨てをすすめた自治体構造改革路線の転換を求めました。そして、この間進められてきた「三位一体の改革」や「地方分権改革」は、自治体のあり様を大きく変え、中央統制を強め、地方自治の本旨に反するものであることを指摘。あらためて、憲法の立場に立ち、中央統制ではなく、自治を拡大し、貧困と格差をなくし、地方切り捨てをやめ、住民の立場に立って、地方自治と地域が豊かに発展できる方向での行財政改革を求め、総務省としての回答を求めました。

 その上で、以下の項目について特に強調し、交渉を行いました。
1.自治体に雇用される臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件について、労働時間に比例した正規職員との「均等待遇」が確保されるよう地公法・地方自治法を改正すること。また、当面、「改正パート労働法」の趣旨をふまえ、賃金、手当、休暇等の労働条件について正規職員との「均等待遇」など適正な処遇が確保されるよう、各自治体の条例において措置するよう、指導・助言すること。

2.地域手当について、地域住民の賃金・生活実態や地域の経済的同一性、人材確保の障害などを無視し、国に準拠し「賃金構造基本統計調査」にもとづく財政制裁をも利用しての押し付けをおこなわないこと。
現業職員の給与について、劣悪な賃金・労働条件にある民間同職種準拠による賃金削減の強要を行わず、あくまで労使交渉が前提であることを貫くこと。

3.住民票等の窓口業務における民間委託について、住民基本台帳全体へのアクセスを民間事業者がおこなってはならないこと、特定公共サービスの範囲は「証明書交付請求の受付及び引渡し」に限定されていること、民間委託する場合でも労働者派遣法等の関係法令を遵守すべきことの立場を堅持し、周知するとともに、自治体が逸脱しないための有効な措置を講じること。

4.指定管理者の指定に当たっては、原則公募にこだわらず、自治体が適切に運営されていることをもって「非公募」で継続指定することに対しては自治体の自主性を尊重し、変更指定の場合でも、労働者の雇用と労働条件を承継するように制度上、運用上の改善を図ること。

5.財政健全化法に基づく政令の制定に当たっては、自治体の規模や特性に配慮すること。住民のくらしにかかわる企業会計や特別会計のうち事業の性質上やむを得ず生じる赤字を考慮した基準とし、起債を健全に償還することへの不当な評価や必要な投資が不当に抑制されない基準とし、将来負担比率については職員全員が退職した場合の退職手当全額を算入するなど不当な基準としないこと。


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