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「貧困」は人の社会的孤立化をもたらしている
「福祉、生活困窮」 高橋 瞬作氏

 長距離を歩いて移動する人が増えています。先日も京都で失業し、行き場がなく三重県の知人宅へ「お金がないから助けてくれ」と転がり込んだ人がいます。また、ある29歳の男性は、宮崎県から歩いて福島県の友人宅へ行こうとしたものの、京都府の亀岡で行き倒れてしまいました。社会的孤立と貧困の自己責任は、気がついたら頼るところがどこにも無いという状況をつくり出しています。

 貧困は社会的な孤立をもたらします。中途半端な貧困ではなく、深刻な貧困は本人が周りに隠そうとするため、なかなか気づかれません。餓死、自殺、殺人などの多くの背景には、貧困とこれに伴う社会的孤立があります。

 低所得者に過酷となっているのが国民健康保険料です。2人世帯で所得の18%を超えるような国保料は大きな負担です。病気になっても医療費もままならないなか、治療を受けられず、雇用、年金、医療の機能が果たされていない下で、一気に生活困窮者となります。

 命を守る最後の砦(セーフティネット)である、生活保護も機能不全に陥っています。
 窓口での申請拒否や違法な打ち切りなど、憲法25条をないがしろにする事態があちこちで起こっています。今年2月に京生連で、府内自治体における生活保護の申請用紙の設置場所調査を行いました。住民の目に触れ、手の届くところ出して置いてあるところは、ほとんどありません。

 なかには町役場の庁舎内に用紙が無いところさえありました。「水際作戦」どころか、実態は「申請隠し」と呼べるものでしょう。
 簡単に人々が貧困に陥る世の中で、国民健康保険と生活保護は改善が求められる2つの大きな保障です。自治体と住民との間に打ち込まれたクサビである「保険証の取り上げ」などの攻撃をどう跳ね返し、国の責任を具体的にはたさせていくのか。まず、自治体が「取り上げは絶対にしない」と宣言することが大切です。国民の申請する権利をしくみとしてどう保障するか、人間らしく生きる権利をどう保障するかが大事です。一緒に考えとりくんでいきましょう。
        

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