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府職労ニュース


2008年5月16日

安心して職務に専念できる賃金労働条件を
いよいよ夏季闘争へ

府職労が08年夏期要求書提出

                   2008年度府職労夏期要求書         
 私たち府職員のくらしは、依然として厳しい状態が続いています。「給与構造改革」や官民比較企業規模引き下げによる人件費の抑制、さらに原油・食料品などの価格高騰による物価上昇や社会保険料の負担増で生活悪化がすすみ、要求はいっそう切実となっています。ところが春闘段階で、「人事院勧告制度の維持尊重」(総務省)、「官民較差に基づく適正な公務員給与の水準確保」(人事院)、さらに住居手当の見直しや本府省手当新設などが示されており、これらは私たちの要求に背を向けるものと言わざるを得ません。
 職場では、「給与費プログラム」の3年目として知事部局で206名の大幅な人員削減、電子府庁化の推進、さらに職場に混乱を持ち込んだ昇任・昇格、新たな評価制度の試行など、総務省直結の「府政改革」が急速にすすめられ、様々な矛盾が広がり職員の不安や要求は深刻さを増しています。とりわけ、本来的業務の担い手を正規職員から臨時職員に置き換えるとともに、派遣・委託を拡大してきたことは、京都府自らが「ワーキングプア」を生み出しているものであり、府職労は、こうした動きの見直しを強く求めるものです。
 3月11日に「2008年度府職労統一要求書」を申し入れたところですが、夏の段階であらためて下記の事項を申し入れます。これまでの労使の交渉の経過をふまえて、使用者責任を果たす立場から、府政労働者が安心して職務に専念できる賃金・労働条件を確保されるよう、一時金支給日までの解決に向け、貴職の誠実な対応を求めます。

                                   記

1 賃金に関する要求
(1)府庁に働く全ての労働者の賃金を「だれでも月額10,000円以上」「時間給100円以上」引き上げること。
(2)給与抑制措置として行われた昇給延伸及び給与カットによる損失を補填すること。
(3)技能労務職員の給与水準引き下げをすみやかに中止すること。また、「見直し指針」による新たな引き下げは行わないこと。
(4)「全国トップグループ」の賃金体系・水準を確保すること。
(5)昇任・昇格基準と選考方法については、職場に差別と分断・混乱を持ち込まず、まじめに働いている職員全員が意欲をもてるよう処遇すること。選考結果について、職員1人ひとりに対して説明責任を果たすこと。級別定数管理を持ち込まないこと。研  究職給料表、医療職U・V給料表の給与水準を改善すること。
(6)昇給制度については、従来の成績特昇制度等を踏まえ、客観的で公正な制度とすること。
(7)職場に差別と分断を持ち込む「新たな人事評価制度」を導入しないこと。また、管理職における給与や人事への反映をやめること。
(8)平成21年度までの昇給幅抑制や55歳以上の昇給号給抑制を中止すること。
(9)京都府の給料表のあり方を精査すること、また職員構成実態を踏まえ、号給を継ぎ足すこと、を人事委員会に要請すること。
(10)一時金の支給月数を増やすこと。また役職段階による「差別支給」を廃止し、期末手当に一本化すること。当面、勤勉手当の成績率は一律適用とすること。
(11)初任給基準を改善し若年層の賃金を大幅に引き上げること。それに伴い、在職者調整を行うこと。
(12)中途採用者の前歴を異種の場合でも100%換算すること、年齢別最低保障など賃金決定基準の改善をはかるとともに、在職者調整を行うこと。
(13)調整額の改善をはかること。
(14)諸手当の改善をはかること。
 @ 地域手当については、公民較差や職員の生活実態、人事管理などの諸点を踏まえて府内全域10%とすること。
 A 扶養手当を改善すること。
 B 住居手当については、持ち家も含め、これまでの経過や住居費負担の実態などを十分にふまえて大幅に改善すること。礼金・敷金・更新料などを手当の対象とすること。
C 通勤手当について、高騰する燃料費の実勢価格を踏まえ支給するなど全額実費支給(駐輪・駐車場の費用、自動車本体にかかる費用も含む)とすること。また、2q未満の通勤者に対しても支給すること。認定については通勤実態に則して行うこと。高速道路等の利用料金の加算要件を緩和するとともに上限を撤廃すること。非課税とするよう国に働きかけること。
 D 時間当たりの給与算出方法をさらに改善するとともに、時間外勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当の割増率を100分の50(深夜等は100分の100)に引上げること。当面、週休日に勤務し同一週に振り替えた場合及び休日に勤務し代休を取得した場合  でも割増分を支給すること。交替制・変則勤務者についても同様の扱いとすること。
 E 単身赴任手当について、支給額及び支給基準の改善をはかること。
 F 交替制・変則勤務者に対する手当を新設すること。
 G 休日の中でも年末年始は、社会的にも家庭的にも特別な日であることから、やむを得ずその日に勤務を命じる場合は、特別の手当を新設し支給すること。
 H 「宿日直制度」「拘束呼び出し制度(オンコール)」など、所定労働時間以外の「拘束・勤務」については、これを正当に評価し、手当の大幅な改善をはじめ処遇の抜本的改善をはかること。
 I 特殊勤務手当の支給額を引き上げるとともに、支給範囲を拡大すること。
J 夜間勤務手当を大幅に引き上げるなど看護職員の賃金を改善すること。
(15)旅費については、早朝・深夜帰着問題も含め旅行雑費を改善すること。また、通勤手当との調整について、経路の重複を自動的にチェックするシステムを導入すること。それが完成するまでの制度誤認による間違いを本人責任としないこと。
(16)再任用職員の賃金・労働条件を改善すること。とくに医療職U表適用の再任用職員賃金を改善すること。

2 労働時間短縮に関する要求
(1)労働時間を大幅に短縮し、週35時間労働制の実現をはかること。年間1,800労働時間目標を堅持すること。そのために必要な予算・人員の確保など条件を整備するこ  と。ただちに、所定内労働時間を1日15分以上短縮すること。
(2)無制限・恒常的な時間外勤務を解消すること。そのために、1日2時間、週5時間、年間120時間の時間外勤務上限規制の制度化、人員増、予算増など実効ある措置を行  うこと。
(3)労働基準法や厚生労働省通達にもとづき、不払い残業が起こらないよう当局の責任を果たすこと。時間外勤務を命じる場合においては休憩時間60分を徹底し、新たなサービス残業が起こらないようにすること。当局の責任で不払い残業実態調査を行う  こと。
(4)勤務時間の割振変更は、新たな超勤・不払残業を生み出しかねないものであり、安易に導入しないこと。また職場や職員の意見をふまえて慎重に対応すること。

3 権利・安全衛生・福利厚生に関する要求
(1)交渉経過を踏まえ、夏季特別休暇を大幅に増やし年休の集中消化含めた総日数を拡大すること。休暇を取得しやすい環境づくりに努力すること。「リフレッシュ休暇」を新設すること。
(2)年次有給休暇の完全行使を保障するための必要な措置を講じるとともに、年休の日数を拡大すること。
(3)労働基本権を公務員労働者に対して完全に保障すること。
(4)再任用制度について、60歳代前半の生活保障という制度の主旨をふまえ、職域の拡大など希望者全員に保障すること。
(5)労働安全衛生法令を遵守するとともに、職場の安全衛生・健康増進対策を強化すること。
(6)管理監督者や職場を支援する専門的職員の配置や組織づくり、メンタルヘルスアドバイザー派遣事業の拡充など、メンタルヘルス対策を総合的に強化すること。
(7)執務室として必要なスペースを確保すること。また、職場の要求にもとづき改善をはかること。
(8)冷暖房・空調・照明は、執務室や気温・天候の条件に応じて弾力的に対応し、一律的な運用をしないこと。
(9)VDT作業については、「VDT作業におけるガイドライン」を徹底し、職場点検を踏まえ作業環境等の改善をはかること。
(10)公立大学法人・公社・事業団職員の賃金・権利・労働条件について、府職員と同等水準を確保すること。
(11)地方公務員法第42条に基づき福利厚生に関する当局責任を果たすこと。

4 男女共同参画社会の実現に関する要求
(1)子育て休暇については、子の数に応じた日数の付与、高校生への適用、対象要件の拡大など改善をはかること。また介護欠勤制度を充実させること。
(2)育児休業を取得した期間の所得を保障すること。
(3)育児時間の対象年齢を引き上げること。また、育児休業、介護休暇等も含め、だれもが安心して取得できるよう、必要な人員・業務体制の整備をはかること。
(4)介護休暇を時間単位で取得した場合や部分休業を取得した場合の所得保障を適切に行うこと。
(5)女性の積極的登用と職域拡大をはかること。
(6)「育児のための短時間勤務制度」の運用にあたっては、子育てしながら働き続けられる環境づくりを促進すること。
(7)「京都府特定事業主行動計画」の内容をさらに充実させるため、すべての職場において子育て中の職員や職場の意見・要望を聞くこと。

5 嘱託職員及び臨時職員に関わる要求
(1)嘱託職員報酬と臨時職員賃金の引き上げをはかること。経験年数や専門的技術に対する報酬積み上げ・勤続年数に応じた加算制度を改善すること。
(2)均等待遇をはかる立場から、育児休業・介護休業・育児時間などの条件整備を行うこと。子育て休暇を有給とすること。
(3)互助会加入をはじめ、福利厚生については、一般職員と均等に扱うこと。また、いっそうの健康管理対策に努めること。
(4)期末勤勉手当に見合う一時金の支給、6ヶ月以上勤務者に対する退職手当の支給、通勤手当の実費支給など諸手当を支給すること。
(5)臨時職員取扱要綱第19条の第2月曜日は休務日としないこと。また、この要綱で勤務日と定めている日は当然のことながら休務日としないこと。
(6)嘱託・臨時職員に係る総合的な相談窓口を設置すること。

6 府政運営に関する要求
(1)職員定数を大幅に削減するとした「給与費プログラム」を撤回し、府民サービスの向上と労働条件改善に必要な人員を確保すること。恒常的業務は本来正規職員で対応すべきものであり、臨時職員への置き換えや派遣・委託の拡大はしないこと。
(2)電子府庁化は、労働条件に関わる問題であることから、労使協議と合意を前提とすること。総務事務システム・統合財務システムなどについては、あらためて職場の実情に即した点検・見直しを行い、研修・マニュアル・機器等の必要な条件整備、システムの改善、円滑な業務執行を保障する関係職場を含む体制を強化すること。
(3)税業務の市町村との共同化については、効率やスケジュール優先ではなく、地方自治のあり方に関わる問題として、府民・職員の英知を結集し、十分な時間をかけて検討すること。広域連合への参加は、各自治体の判断に委ね、参加しない自治体に対し  て、不利益な扱いをしないこと。また、職員の賃金・労働条件等にも関わることから労働組合と協議すること。


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