人間らしく生きる権利高らかに

憲法25条を語り合うつどいひらく

障害者の自立支援法案を参議院で廃案にの声

 障害者施策に原則一割の定率負担を導入する障害者自立支援法案が、衆議院で強行可決され、舞台は参議院に移りました。
 この「自立支援法」というのは、施設などを利用するとき現在は利用者の95%が負担ゼロですが、法案が可決されれば、1 割負担・「応益負担」が導入されることになります。
 ホームヘルプサービスでは、平均で月約1,000 円が約4,000 円と4 倍に、通所施設では、食費の負担も加わって月約1,000 円が約1 万9,000 円と19 倍になることが、厚生労働省の試算で明らかになりました。
 「利用料に上限を設け、低所得者に配慮した」と厚労省は弁解していますが、その利用料の上限額は、障害基礎年金1 級、8 万3,000 円の方で2 万4,600 円、2 級の6 万6,000 円以下の方で1 万5,000円と、負担が収入の2 割、3 割以上にもなっています。しかも、負担の上限額は、本人の収入ではなく、同居する家族の収入に応じて決める仕組みとなっており、「自立」に反するものと言わなければなりません。
 全国的に障害者の「応益負担」に反対するとりくみが広がっています。京都では7月13日、雨の中京都市役所前で街頭演説会が開かれ、障害者家族などが参加し、その後デモ行進。7月22日には、「人間らしく生きる権利、憲法25条を語るつどい」が、京都バプテスト協会で開催されました。

 私は自立支援法に反対する。理由は3点。障害者から仕事を奪う。家族からも負担を強要する。福祉を削らず、ムダを削れ。こんな理不尽な社会を変えたい。熱意をもって」と力強く訴える視覚障害者の一言一言が参加者の心を打ちます。  挨拶に立った高橋・京生連事務局長は「国保を脱退したいという男性から電話があった。本当に生きにくい社会になっている。けれど、日本には世界に例のない25条をもつ憲法がある。これを生かしていこう」とのべました。
 岡崎祐司・仏教大教授は「平和的生存権と憲法25条を再構築しよう」と基調報告的に発言、これに続いて14名からリレートークがおこなわれました。
「高すぎる国保」「暴行を受けるホームレスの実態」「男女不平等の実態」「共産党員や学生運動を拒否する賃貸契約の実態」「生活保護以下の賃金と改善」「学生や外国人の無年金差別」などについて次々と告発し、憲法25条を守り生かすネットワークの実現への大きな一歩となる集いになりました。
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