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府職労ニュース

「勤務時間割振変更」試行を突然に提案

あくまで職員の健康管理とは言うが、

十分な職場討議と納得が前提

  職員長通知である「『時短推進プラン』の策定について」とともに、「勤務時間割振変更による時間外勤務縮減試行制度実施要領」なるものが、16日に唐突に提示され、職場では、手続きと内容の両面から憤りと不安の声が広がりました。24日の府職労交渉では、交渉団が当局に対し強く再度の趣旨徹底と十分な職場議論の保障を求め、職員長も「あくまで職員の健康管理を考えてのこと」と述べ、再徹底を行うことを約束しました。

●超勤手当削減プラン

 「こんな重大な内容を突然に言ってくる当局は何を考えてるのか」「異常な超過勤務と不払残業を放置したままで、時短推進プラン≠ヌころか超勤手当削減プラン≠サのものではないか」。勤務時間割振変更≠フ試行が唐突に提示された職場のここかしこでは、一斉に憤りと不安の声があがりました
 ある北部の土木事務所の建築関係の職場では、この間、午前零時を過ぎての超勤が続いています。所長からの早く帰ってほしい≠ニの声かけもあるので、持ち帰り残業をしている職員も少なくないといいます。
 また、ある農業改良普及センターの職場では、慢性的な超勤手当の予算不足が続いており、実態の3分の1しか支給できていないといいます。
 さらに、ある本庁の職場では電算システムの開発・稼働関連と市町村との共同化関連という2つの大きな業務を抱えて超勤手当の予算がパンク≠オ、年度内の超勤手当支給のメドが立たない状況にあるといいます。
 こうしたもとで唐突に示されたのが勤務時間割振変更≠フ試行でした。

●児相の教訓≠忘れたのか

 「児童相談所で、まる2年間続いた『B勤務』と本質的には同じ問題点を持っているのではないか」と語るのは、保健福祉支部書記長です。
 児童相談所では、職場や支部の懸念と繰り返しの交渉にもかかわらず、H17年度から職員が交替で昼過ぎから午後10時まで°ホ務する「B勤務」が当局によって強行導入されました。
 その結果、@面接や家庭訪問の日程がとりにくくなった、A職員同士の意思疎通が不十分となり、来所面接や本文日程が調整しにくくなった、B本来勤務を要しない時間帯の「B勤務」の午前中に、やむを得ない面接や会議のため、時間外勤務することが増えた、Cそれまで定期的に開催できていたミーティングが飛ぶ≠アとが多くなり、大切な虐待ケースの内容や進行管理が共有化できにくくなったーなどの影響が現れました。
 「このことが長岡京市で餓死事件を起こした児童虐待ケースへの対応が後手に回ってしまった大きな原因となった」と支部書記長。「『時短推進プラン』でも定例的な進行管理会議の開催≠ェ強調されているのに、変則勤務を正当化するような方針は矛盾している」とも指摘します。

●労働時間は労働条件の根本問題

 府職労は、24日の府職労交渉で、改めて勤務時間割振制度の試行に反対を表明し「 試行≠ニはいえ、労働時間は労働条件の根本問題」 と主張し、交渉での確認を抜きに職場に提示≠オ、各所属長がまともな説明も行えずに混乱をきたしている点を具体例をあげて厳しく指摘しました。
 そのうえで、「 職場では超勤予算が無いなかで超勤させるための方途か≠ニの受けとめがあるが、そうではない≠ニ明言すべきだ。なし崩しの実施≠ナ職場に混乱を招かぬように、対象業務と対象者、試行期間を明示すべきだ」 と主張しました。
 職員長は、「あくまで基本は職員の健康管理を考えてのことであり、試行を行い検証していこうという趣旨だ。本日の交渉をふまえて再徹底したい。労使の常設の委員会でも検証したい」 と答えました。
 当局をして、ていねいで十分な説明を図らせたうえでの、しっかりとした職場議論と検証が必要です。


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